ドングリが秋と幸せを運んでくれた


いつものようにいつものコンビニに買い物に行く途中、足元に何か赤い物体が落ちているの認識した。
それはドングリだった。ただのドングリである。
ああ、もう秋なのかと思い、そのまま目的のコンビニへ向かった。
コンビニで買い物をした後の帰り道もドングリは転がっていた。
まだその時はただの赤い物体のドングリだった。
次にまたコンビニに買い物に向かう。何を食べようか、弁当にするかパンにするか、いろいろと考えながら向かう途中にまた赤い物体が落ちている。
今度は一つだけではない。二つ、三つと落ちているドングリが増えている。
一体どこからドングリが?と疑問に感じつつ近くの木を見てもドングリらしき物体は確認できない。

そういえば昔よく通っていた中華屋の五歳くらいの女の子がドングリを集めていたなと思いだす。
まだ補助輪がついた自転車のカゴにいっぱいのドングリ。
そんなに集めてどうするんだろう?もしかして食べるのかな?と思いつつも
楽しそうにそのドングリと戯れている。それを見て自分も小さいころドングリを集めていたことを思い出す。
公園で自分の将来について不安を感じながら過ごしているときにも、その中華屋の女の子がお祖母さんと一緒に来た。

私はいつものように話しかけ、その子が公園のドングリを集め始めたので手伝った。
ドングリにもいろいろな大きさや見た目が綺麗かとある。一生懸命地面を探してその子が喜ぶようなドングリを探した。
今、このドングリを持って行ったらあの子は喜んでくれるだろうか?
ふと、二十年前の事を思い出しつつ、落ちていたドングリをそっと拾い上げポケットに大事に入れておいた。